「アメリカンフットボールはルールが難しそう」 という声をよく耳にしますが、実はすごくシンプルなゲームなんです。ラグビーやサッカーの方がよほど複雑です。
女性はともかく、スポーツ好きな男性でも、「アメリカンフットボールのルールを説明しろ」 と言われても、スンナリ答えられる人はまずいないと思います。そこで、アメリカンフットボールのルールを、ゲームの進行と共に見ていくことにしましょう。

■公式ルール
アメリカンフットボールの公式ルールは、NCAA (全米大学体育協会) が定めた公式規則が基本とされています。団体によっては独自のローカルルールが採用されているところもあり、アメリカのプロリーグであるNFL (ナショナル・フットボール・リーグ) では、テレビの放送の関係や面白さを増すために、独自のNFLルールが採用されています。


■ゲームの目的
攻撃側が守備側のエンドゾーンに向けて前進し、得点することを目指します。より多く得点した方が勝利です。


■フィールドの広さ
アメリカンフットボールのフィールドは、ヤードとフィートで表示されます。サイドラインが120ヤード、(およそ91メートル) エンドラインは53ヤード1フィート (およそ48メートル) の長方形です。ちなみに1ヤードは91.44センチ。1フィートは30.48センチ。ラグビーの縦100メートル、横70メートルと比べると、ややフィールドは狭いですね。両陣営のエンドラインには、ラグビーと同様、ゴールポストが設置されてあります。


■プレイヤーの人数
フィールド内でプレイできるのは1チーム11人。ただし、交代は自由で、何人でも交代させることができます。また、野球のように一度交代すると、プレイの権利を失ってしまうのとは違い、同じプレイヤーが何度でも入れ代わることができます。だから、ベンチ入りできる選手の人数も基本的に制限はありません。(NFLは46人まで)

野球では攻守を兼任しますが、アメリカンフットボールの場合は攻撃専門のプレイヤー、守備専門のプレイヤーと分業制になっていて、同じチームの中に二つのチームがある感じになります。


■試合時間
前半30分、後半30分の、合計60分で行われます。4クォーター制で、1クォーターは15分。第1、第2クォーターが前半。第3、第4クォーターが後半。前半と後半の間に、15分ほどのハーフタイムがあり、この時にチアリーディングなどのショーを観ることができます。アメリカンフットボールの特徴として、試合の時計が秒単位で止まるので、試合開始から終了まで、実際には2~3時間くらいかかります。


■試合開始
審判と両チームのキャプテンがフィールド中央に集まり、コイントスで前半戦の攻守・陣地などを決めます。勝った方は次の3つから1つを選択できます。

1,キック (守備)、レシーブ (攻撃) の選択。
2,攻めるサイドを選ぶことができる。
3,前半の選択権を相手に譲る。(勝った方のみの選択)

負けた方は敵が選ばなかったものを取り、後半戦開始時の選択優先権を自動的に得ます。ただし、コイントスに勝った方が前半の選択権を相手に譲った場合は、後半戦の選択権を得ることになります。

守備側が自陣の35ヤード地点からボールをキックオフして、試合開始です。攻撃側はそのボールをレシーブして、リターン攻撃に移ります。


■サイドチェンジ
第1クォーターと第2クォーターの間で1回、第3クォーターと第4クォーターの間で1回、それぞれサイドチェンジが行われます。


■攻撃方法
攻撃チームには4回の攻撃権が与えられます。この攻撃権のことを 「ダウン」 と呼びます。4回のダウンを順に、ファーストダウン、セカンドダウン、サードダウン、フォースダウンと呼びます。

攻撃側と守備側がボールを挟んで向かい合い、腰を落としてにらみ合っている場面をよくテレビなどで観ますが、あの状態のことを 「スクリメージ」 といいます。たいていの場合はこのセットプレーから攻撃が開始されます。

4回のダウン中に10ヤード進むことができれば、さらに4回のダウンを獲得することができます。このことを 「ファーストダウンの獲得」 あるいは 「ファーストダウンの更新」 と呼びます。10ヤード進むことができなければ、攻守交替です。ボールを前進させる方法は、おもにランプレーかパスプレーによります。

ランプレー ⇒ 攻撃側のボールを受けたプレイヤーが、走って前進を狙うプレイです。比較的短い距離を確実に進むときに使います。

パスプレー ⇒ 攻撃側のボールを持ったプレイヤーが、前方にいる味方のプレイヤーにパスをして、そのパスをノーバウンドでキャッチできれば、パスプレー成功です。パスをキャッチしたプレイヤーは、さらにそこからランプレーで走り込むこともできます。1プレイにつき、1回のパスが許されています。成功すれば大幅に距離を稼ぐことができますが、ボールをこぼしたり、敵にボールを奪われたりする (インターセプト) など、高いリスクも伴います。

なお、ラグビーでは前方にいる味方にパスを出すと反則を取られますが、アメリカンフットボールでは、前方にいる味方にパスを出すのが基本となります。

こうして、攻撃開始から攻守が交替するまでのことを 「シリーズ」 または 「ドライブ」 などと呼びます。


■得点方法
得点場面は基本的に以下の4つがあります。

タッチダウン ⇒ 6点 
攻撃側のボールを持った者が、敵陣エンドソーンに走り込むか、エンドゾーンにいる味方へのパスを成功させれば、得点となります。ラグビーのように、ボールを必ずしも地面に付ける必要はありません。

トライフォーポイント ⇒ 1点か2点 
タッチダウンのあと、ゴールラインの3ヤード手前から攻撃することができますが、キックがゴールポストを通れば1点。パスかランでタッチダウンできれば2点もらえます。

フィールドゴール ⇒ 3点 
攻撃の時、ボールをキックしてゴールポストを通過すれば、得点となります。

セイフティー ⇒ 2点 
攻撃側が、自陣のゴールライン後方でボールを持って倒れたり、タックルされたり、エンドラインを割ったりすると、自殺点として守備側に2点が与えられ、攻守も交替となります。


■プレイヤーの各名称
アメリカンフットボールにも、他のスポーツと同様、プレイヤーのポジションによってそれぞれ呼び名があります。攻守それぞれのポジションで呼び名があり、役割も違います。まずはオフェンス (攻撃側) の名称からみていきましょう。

【オフェンス (攻撃側)】

・クォーターバック
なんといってもチームの花形で、いわば司令塔的な存在です。攻撃の起点となり、パスを出したり、時には自ら走り込んだりします。戦術を考え、それを各プレイヤーに指示します。中央を突破するか、オープン (外側) に展開するか、瞬時の判断力が要求されます。ボクはこのクォーターバックが繰り出す弾丸のようなタッチダウン・パスに魅せられて、アメリカンフットボールを観るようになりました。

・ランニングバック
文字通り、ボールを持って走るプレイヤーです。足の速さが命のポジションで、彼らが小回りを利かして敵をすり抜けながら走る様は、観ているボクたちにも爽快感を与えます。セットする位置によって、フルバック、ハーフバック、テールバックなどと呼ばれたりします。

・ワイドレシーバー
クォーターバックが繰り出すロングパスを走りこんでキャッチするのが、レシーバーの仕事です。足の速さとともに、捕球する能力の高さが求められます。セットする位置によって、スプリットエンド、フランカー、スロットバック、ウィングバックなどと呼ばれたりします。

・オフェンスライン
スクリメージの中央最前線にセットする5人のプレイヤーをこう呼びます。ラインの真ん中にいるのがセンターで、クォーターバックにボールをスナップ (渡す) します。その両脇がガード、一番外側にいるのがタックルです。ボールを持ったプレイヤーに守備側が猛烈なタックルを仕掛けてきますが、オフェンスラインはそれを身体でブロックします。アメリカンフットボールの激しい肉弾戦は、おもにこの時に生じます。

・エンド
オフェンスラインのタックルのさらに外側に位置しますが、役割はオフェンスラインの5人とほぼ一緒です。タックルとの距離によって、タイトエンド、スプリットエンドと呼ばれたりします。セットする位置によっては、レシーバーの役割もこなします。


【ディフェンス (守備側)】

・ラインバッカー
オフェンスの中心がクォーターバックなら、ディフェンスの中心はラインバッカーです。相手の戦術を読み、ボールを持っている敵プレイヤーに最初のタックルを敢行します。セットする位置によって、ミドルラインバッカー、インサイドラインバッカー、アウトサイドラインバッカーなどと呼ばれます。

・ディフェンスバック
攻撃側がランプレーを仕掛けてきたなら、ボールを持ったプレイヤーにタックルを敢行し、パスプレーなら相手のボールをインターセプト (パスを奪う) します。セットする位置や人数によって、コーナーバック、ニッケルバック、ダイムバックなどと呼ばれたりします。

・ディフェンスライン
スクリメージ最前線にセットするプレイヤーのことを総じてこう呼びます。クォーターバックへ向かって突進して、プレッシャーをかけることがおもな役割となります。相手と激しくぶつかり合うので、身体の大きさ、フィジカルの強さが求められます。セットする位置や人数によって、ディフェンスタックル、ディフェンスエンド、ノーズタックルなどと呼ばれたりします。

・セイフティー
守備側の最後の砦です。ディフェンスの最後尾に位置し、自陣の最深部への攻撃を防ぎます。守備範囲が広いので、足の速さと耐久力、持久力が求められます。セットする位置によって、ストロングセイフティー、フリーセイフティーなどと呼ばれたりします。

その他にも、スペシャルチームというものが存在します。これはキックの専門チームのことです。フィールドゴールやフリーキック、パントを行うときに登場します。パントとは、攻撃権が相手に移りそうなとき、少しでも相手が不利な位置から攻撃を開始するために、相手の最深部目がけて蹴るキックのことです。パントを行うと、攻守交替となりますので、通常は攻撃側の前進が10ヤードに満たなかったときの、4回目のダウン (フォースダウン) のときに行われることが多いようです。

ちなみに、フォースダウンのときに、パントをせず、フィールドゴールも狙わず、ランかパスによって10ヤードの前進を試みることを、一か八かの賭けに似ていることから、フォースダウン・ギャンブルといいます。失敗すると自陣のエンドゾーン近くで試合再開となり、かなりリスキーな賭けとなります。


■タックルとブロックの違い
アメリカンフットボールでは、激しい身体のぶつかり合いのことを 「コンタクト」 と呼びます。コンタクトにはタックルとブロックがあり、それぞれ若干ルールが違います。

タックル ⇒ ボールを持ったプレイヤーの前進を、身体やジャージを掴んで阻止すること。ボールを持たないプレイヤーにタックルを仕掛けると、ホールディングという反則を取られます。おもに守備側のチームが行います。
ブロック ⇒ 相手プレイヤーの身体やジャージを掴んだりせずに、身体だけで相手の進路を妨害すること。おもに攻撃側のチームが行います。


■防具
アメリカンフットボールといえば、アイスホッケーと並んで、その頑丈な防具が特徴です。アメリカンフットボールは激しくコンタクトするので、防具を身に付けることが義務付けられています。正しく装着しないと反則を取られます。

・ヘルメット
頭部を保護するヘルメットには、フェイスガードとあご紐 (チンストラップ) が必須です。チンストラップはあご下ではなく、あごそのものに付けます。たいていはあごに固定するための 「チンカップ」 が付いています。

・ショルダーパッド
肩、胸、背中を保護するものです。強化プラスチックとスポンジでできていて、ポジションごとに形状が違います。クォーターバックやレシーバーは、肩の稼動範囲が広く取れるように作られています。オフェンスラインやディフェンスラインなど、コンタクトの激しいラインポジションでは、逆に頑丈に作られています。

・ヒップパッド
腰の横の部分とお尻を保護するものです。タックルは前後左右あらゆるところから来ますので、このパッドの重要性は馬鹿になりません。

・ニーパッド・サイパッド
膝と大腿部前面を保護するパッドです。タックルは腰より低い位置に来ることもあるので、とても重要な防具です。

・マウスピース
頭部への衝撃を緩和するために、口の中でかみ締める防具です。これは非常に重要な防具で、マウスピースをしてなかったために死亡事故が起きたケースもあります。最近ではいろいろなスポーツに普及しています。

こうしてみると、アメリカンフットボールがボールゲームであると共に、格闘技であることも実感できますね。


■攻守交替
攻守の交替が行われるのは次のような場合です。

・4回のダウンで10ヤードの前進ができなかったとき。
・シリーズ中に攻撃側がボールをファンブルしたり、インターセプトされたりして、守備側がボールを確保してプレイが終了したとき。(ターンオーバー)
・フィールドゴールに失敗したとき。
・攻撃側がパントして、守備側がレシーブしたとき。
・タッチダウンやフィールドゴールで得点し、得点したチームのキックオフで試合が再開したとき。
・セイフティーで守備側に得点が入ったあと、得点されたチームのキックオフで試合が再開したとき。


■ハーフタイム
前半と後半の間に15分ほどのハーフタイムがあります。大会にもよりますが、この時間を利用して、ハーフタイム・ショーが催されます。華麗なチアリーディングが披露されることが多いのですが、大きな大会になると、ライブであったり、チャリティー・ショーであったりと様々な企画がなされます。このハーフタイムも別な意味で、観戦するボクたちを楽しませてくれます。

こうして、2チームが攻撃、守備のシリーズを交互に繰り返しながら、ゲームは進行していきます。初観戦する分には、これくらいのことを知っておくと、アメリカンフットボールを楽しく観戦することができます。さらに詳しいルールや戦術、フォーメーションなど高度な知識もありますが、少しずつ知識を蓄えて、上級観戦者の道を目指しましょう。



アメリカンフットボールの基礎知識
どんなゲーム?
アメリカンフットボールの歴史
アメリカンフットボールの基本ルール
プロフィール
管理人プロフィール
アメリカンフットボールを見に行こう!
チケットの取り方
オススメの服装、持ち物
応援の仕方
日本のアメリカンフットボール
日本のアメリカンフットボールチーム
国内の主要大会
アメリカンフットボール選手
アメリカンフットボールをもっと詳しく知りたい!
社会人チーム
大学生チーム・高校生チーム
女子チームも頑張っています!
アメリカンフットボール関係の本・映画

スポンサード リンク

 

モバイル版

モバイル版
Copyright (C) 2008 americanfootballgames.com All Rights Reserved.